▼ CALENDAR
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031    
<< January 2012 >>
▼ LATEST ENTRIES
▼ RECENT COMMENTS
▼ ARCHIVES
▼ CATEGORIES
▼ search

▼ LINKS
▼ PROFILE
▼ ちぢれ手鶴首です
 
 久しぶりの書き込みです。およそ10ヶ月ぶりになります。最後に書き込んだのが1ヵ月前のような気がします。体の具合がよくなかったとか、仕事の都合上時間がとれなかったとかの理由ではありません。ただ、なんとなく時間が過ぎただけのことでした。「光陰矢のごとし。」 年齢を重ねるごとに矢のスピードは増します。私の場合、若い時の1ヵ月は現在の10ヶ月とほぼ同じなのかもしれません。
 
ちぢれ手鶴首 径36cm×高86cm 中村秀昭作 1990年頃

 今回の作品は少々イワク付の品です。
 30前半の血気盛んな頃の作品で、ただ「大きい鶴首を作ろう」と思い立ち仕上げた品です。水びきしたまでは順調でしたが、さてどう削って高台を仕上げていいものかわかりませんでした。通常シッタを使ってさかさまにするのですが、これを乗せるシッタがありません。今からシッタを作っていては、作品が乾いてしまいます。どうしようかと、作業場の中をふらふらしていると、都合よく径25cm位、高さ60cm位のビニール製のパイプがあるではありませんか。今から考えるとこんな特殊な物がどうして、作業場にあったのか不思議なことでしたが、当時はそのような疑惑も感じず、「これだ」と思い、それをシッタ代わりに使って仕上げました。
 さて、「イワク」というのはこれは私の作品の中で唯一「酔っ払いに絡まれて割られそうになった」品であるということです。
 今から10年ほど前のことです。会の展示会の宣伝の為、私はこの品を持って繁華街の隅に座っていました。すると、いつのまにか、よれよれのTシャツを着たおっちゃんが私の隣に座っているではありませんか。おっちゃん曰く、「これは有田焼か?」 私曰く「いいえ違います」 おっちゃん曰く「これは1000万くらいすっとか?」 私曰く「いいえ、そんなにはしません」 おっちゃん曰く「・・・・」 私曰く「・・・・」というふうに取り留めのない話をしました。話をするうちにおっちゃんが酔っていることに気づき、「このおっちゃんに付き合っていたら、いつ開放されるかわからん。何とか逃げ出そう」と思い、素っ気無い返事をしたところ、おっちゃんが怒り出し、「こん壷ば割る!」と言い出しました。「1000万しようが2000万しようがかまわん。俺はこの壷ば絶対割る!」と繰り返し言いました。私が困り果てていると近くにいた警備員のおじさんに、その酔っ払いのおっちゃんがたしなめれました。すると、それが気に入らなかったらしく、今度は警備員のおじさんにくってかかりました。また、そばにいたOL風の女性にも「お前どんはなんば見よっとか。」と言い寄り、騒ぎはどんどん拡大していきました。私は騒ぎの責任を感じながら、「今がチャンス」とばかり、そそくさと壷を担いで逃げ出しました。後ろで「なんかお前ドンは!」というおっちゃんがそこいらじゅうの人にあびせる声が聞こえます。もう町中大騒ぎです。後で考えてみると私がおっちゃんと何気ない会話を交わしている時に、近くの人が「またあの人いるよ。」と言っていた事を思い出しました。多分このおっちゃんは「時々出没して暴れる困ったおっちゃん」だったのでしょう。そして、その日の騒ぎは特別ではなかったのでしょう。とはいえ、騒ぎの原因の責任は私にもあります。「知らない酔っ払いにはかかわるな」という教訓を得た一日でした。それ以来その場所には近づかないようにしています。また、この鶴首も店から出さないようにしています。
| 大きめの壺 | 22:56 | - | trackbacks(0) |
▼ ちぢれ手壺です

ちぢれ手壺 径42cm×高40.5cm 中村秀昭作 1990年頃
 
 この作品も前回紹介した陶筥と同じ技法「ちぢれ手」を使った壺です。

 写真は拡大図です。ちぢれ具合がよく分かると思います。「ちぢれ手」の作品の中で最もよく焼きあがった物だと思います。
 この頃の私は、少しロクロに慣れたせいもあって「難しい」と思われる形に挑戦していた時期でした。そしてそうする事が価値のある事だと思っていました。「高台を小さくする」「できる限り球に近い形にする」「口を小さくする」「大きく作る」 以上4点が壺において難易度の高い形であるための要点だと私が勝手に思い込んでいた事柄です。そう思いながら作ったのが写真の壺だったと思います。この壺にオリジナルの技法「ちぢれ手」を使うことに迷いはありませんでした。まさに野心満々の作品です。50代になった今から見ると、仕事に慣れはじめてきた30代前半の私の作品はこのような物が多いと思います。良く言えば「元気のある時期」で、悪く言えば「生意気な時期」でした。
 この時期の後は「悩める」時期が長く続いて今日に至っています。

| 大きめの壺 | 20:38 | comments(6) | trackbacks(0) |
▼ ちぢれ手陶筥です
ちぢれ手陶筥
ちぢれ手陶筥 横44.5cm×高9.3cm×奥行10.6cm 中村秀昭作 1990年頃

 写真の作品は「ちぢれ手陶筥(ちぢれでとうばこ)」です。「ちぢれ手」とは私が名付けた技法で、陶芸の本などには書いていない技法です。一見すると「鮫肌(さめはだ)」のように見えますが、やり方は違うと思います。釉薬を固めに作って、それに砂や赤土の粒子などを混ぜて、はけ塗りし焼成します。その過程で「ある事」をするとこのようにちぢれた状態になります。

 写真は拡大写真です。ちぢれ具合がよく分かると思います。「ある事」とは・・・「内緒」です。お分かりの方もいらっしゃるかもしれませんが、とにかく内緒です。陶芸はどのように作ったか謎の部分があった方が面白いと思います。陶芸家は多かれ少なかれ手法を一般的に明かさないもので、その謎をあれこれ推理するのも、「陶芸」の一部分だと思います。トンチンカンな謎解きをする人もいて、それを聞くのも楽しいものです。私は謎を解かれても、「正解です」とは言いません。私はひねくれ者なのです。

 上の写真はふたを取った状態ですが、用途は想定していません。木工作品の「短冊箱」を模して作ったのですが、「短冊」を入れてもらおうとは思っていません。私はひねくれ者なのです。

| 陶筥 | 21:03 | comments(0) | trackbacks(0) |
▼ 辰砂陶筥です

辰砂陶筥(しんしゃとうばこ) 
中村秀昭作 横33cm×奥行21cm×高13cm 1998年頃

 陶筥(とうばこ)とはやきもののハコの事です。工芸の場合ハコという字は「箱」と「筥」と2通りありますが、「箱」は板を組み合わせて作るハコであり、「筥」はくりぬいて作るハコだそうです。「だそうです」と書いたのは、人から伝え聞いたことで、自分で確認したことではないからです。辞書で調べてもそこまではわかりませんでした。
 この作品は粘土の塊をくりぬいて作ったので「陶筥」です。実は、作品名を「辰砂陶箱」として、ある公募展に出展したのですが、「辰砂陶筥」と作品名が変更されたので、逆らうのも面倒くさく以後出展する場合、「陶筥」としています。私は軟弱者なのです。
 よく用途を聞かれますが、本音で答える事ができる人にはたびたび「さあ?」と答えています。(この答えが失礼だと感じる人には、料理の器や花器として使えると思いますと答えています・・・私は軟弱者なのです。) ただ、作ってみたかったから作っただけで、用途は意識していません。使うことが上手な人に考えていただきたいものです。



 上の写真はふたをとった写真です。本体に赤い辰砂を使った場合、内側は黒色だと直感的に感じ取りました。赤と黒は2色だけ使う場合きつい感じになるのですが、間に白色を入れると落ち着きます。(落ち着くといっても派手な感じで落ち着くのですが) フチに釉薬はかけていませんので、土の白い色が赤と黒の間に自然と入り込んでいます。最近赤と黒の組み合わせの服を着る人がいます。服だけ見ると「このような服を着る人は果たしているのだろうか」と思いますが、着用した姿は結構サマになっています。これも多分肌の白色が両者を結び付けているのでしょう。

| 陶筥 | 21:51 | comments(0) | trackbacks(0) |
▼ 均窯くりぬき皿です
均窯くりぬき皿
均窯くりぬき皿 縦30cm×横63cm×高5cm 中村秀昭作 2000年頃
 
 この作品は粘土のかたまりをくりぬいて作りました。一般的な皿の形状はしていませんが、用途は皿です。どのように使ってもらえるかと思い、何も言わずにただ「器」として「ある場」においていたところ、料理人の方に「皿」として使ってもらいました。自画自賛になりますが結構おしゃれでサマになっていました。調子に乗って同じ形状の物を数枚作りましたが、まだ一枚も売れていません。普通の形の皿は売れるのに少し形が変わるとなかなか売れません。皿に限らず、他の器も同様です。人は一見してその正体が分かる物には気を許すけれども、そうでない物は警戒するのでしょうか。売れっ子作家になるには、通常の物をほんの少し変えた物(進めた物)を作ればいいのかもしれません。しかしずっと物作りをしていると、その辺の匙加減を意識する気にはなれないものです。作り手は自分がいいと思う物を作る事しかできず、認められたり認められなかったりするという結果は、作り手の力の及ばない事だと思います。
 では、よいお年を。

| 大きめの皿 | 21:52 | comments(0) | trackbacks(0) |
Copyright (C) 2005-2012 paperboy&co. Some Rights Reserved.